無用の用~雑談板 408607

ジャンルを限定しているわけではありませんので、ざっくばらんに投稿されて構いません。
但し、荒らし・スパム・営利目的など趣旨に反すると判断した投稿は無警告で削除します。


第68回日本伝統工芸展

1:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:29:01

いつものように「日曜美術館」。

皆ストイックだ。
美と、造形と。
2:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:39:46

新しくできるものは実に積極的に採用している。

今回一番感心したのは江戸小紋染付でのCADの採用。
工房は葛飾区にお持ちなのだが、葛飾にもカワセミが来ると聞き観察へ赴く。それこそすぐ近所にカワセミがいるのに感動、
「目の前で窓ガラスにぶつかっちゃって、脳震盪を起こしたんですよね」
これを図案にするのであるが、伝統の積み重ねから一歩先駆けて、コンピューターで作成。ドットの最適な配置を決め、上下を反転して組み合わせ、連続した模様を作る。単なる幾何学模様に見えながらも、不意にそれが無数のカワセミのつながりなのだと気が付く。

これと同じ技法で「ダイス」という図柄も作られているのであるが、一から六までの目のサイコロがつながり、これが全体でひとつの幾何学パターンを織り成す。

模様でありながら意味を隠し持つ、現代の江戸小紋の粋である。
3:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:42:07

「こども110ばん」のプレートが両さんだ。
4:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:46:40

流れ、零れるような美しいガラスの襞の花器。

分厚い板ガラスに切子を入れ、これを台に乗せてゆっくりと加熱。電気炉だから1度刻みでむらなく連続して加熱できる。
職人技でもまず難しい、歪みの無い美しい襞が流れる。

見事だ。
5:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:52:18

力尽くで土を捻じ伏せる自身の作風に限界を感じる。

体力の衰えを実感しつつ、ほろ酔い気分で土を練り始めると、土がどの姿になりたがっているのか分かるようになった。
「無理はせずに、土の成りたい形に促してやるのです」

このほろ酔い気分の加減こそが難しく、土間に囲炉裏を切り、過ぎぬように飲みつつ、工房へ向かう。
オーディオまであるぞ。
6:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 12:55:27

狡いなーw

愉しめなければ手も動かないか。
愉しめなければ心も動かないか。

ストイックな中にも、皆、割と闊達にやっておられる。
これこそ羨ましいね。
7:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 13:02:54

「名人は人に問う」

この言葉にあるように、真に最先端を行くものは新しい知識や技術にも貪欲なものだ。
先に渋沢栄一氏とレンガ工場の話もしたが、今よりもっと高い温度で焼ける炉があると知れば、
「てやんでい、べらぼうめいっ!」
と自分でもレンガの炉を組ませて、今までの日本には無かった陶芸技術にも挑戦するのである。
それこそ博覧会でセーブルとか見て、それは奇妙に思っただろう。これはいってぇどうやって焼いてんだ、と。

だが伝統無くして最先端もまたあり得ないのである。
創意と、工夫と。
8:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 15:48:05

倹約令で派手な柄の着物が禁じられたので
「てやんでい、ちっこくすりゃあいいんだろぅが!」
という流れで、単色、小紋の柄が発案されたのだが、この、さり気無く粋、というスタイルが江戸っ子にジャストフィットして今に伝えられるのである。

国吉にしても遊女の浮世絵が禁じられたので
「女じゃなきゃいいんだよな」
と猫遊女を描く。
モチーフは化け猫なのであるが、図らずも元祖ネコミミとなる。
役者絵も禁じられたので、青物にしちまえと、唐きびの役者やカボチャの義太夫を。
こうしたデフォルメ、マンガ的表現がタイガー立石氏の作風に受け継がれ、赤塚に影響し、今に続くのだろうなと。
9:小狸工房 :

2021/09/19 (Sun) 15:53:20

降り積もった雪を表現。

赤漆で雪とは何と大胆なと感心したが、その柔らかな丸みと軽く曇った塗りは、紛れもなく雪だ。

フラットな表面にするために刷毛で塗った後に磨きを入れていないという解説であったが、プラモデルマニアとして感動した、筆塗りでも塗り斑が無いというのがどれほど難しいものか。それも漆だ。

彼らは今日も絶え間なく、新しい美を探している。

  • 名前: E-mail(省略可):
  • 画像:

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.