無用の用~雑談板 410033

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但し、荒らし・スパム・営利目的など趣旨に反すると判断した投稿は無警告で削除します。


「フランケンシュタインの誘惑 vol.12握り潰されたブラックホール」

1:小狸工房 :

2019/06/30 (Sun) 03:21:17

タマキンの話ではない。

本放送で何本か見られていないトピックがあるのであるが、ETVでの再編集番組でようやく見られた。
あまりにも象徴的なエピソードである。

これに先立ちアインシュタイン本人も、自分の立てた方程式に従うと宇宙は無限に膨張を続けている結果になるのに頭を抱えたのである。
これの裏返しの事実となる、無限に潰れ続ける星の存在など到底認められなかっただろう。

これ以降、理論物理学と統一理論は新しいブレイクスルーを向かえるごとに新しい矛盾を抱え続けることとなる。

名誉回復に四十年かかったか。
2:小狸工房 :

2019/06/30 (Sun) 03:30:32

量子力学が自分の功績を否定するかのように受け止めたアインシュタインの心情こそ心外である。

ただ、この四十年の間に電波望遠鏡と電子計算機が実用化され、これが第三者の視点となりブラックホールが実証されたのだから、決して無駄ではなかったと信じたい。

だがもしも寛容にエディントンがチャンドラセカールに共同研究を申し出ていれば、エディントンの名はすっかりと霞んでいただろう。
最後にはチャンドラセカールの名が残り、エディントンはその妨害者として名を残した。
3:小狸工房 :

2019/07/14 (Sun) 16:18:42

いくつかの動物実験でそれなりの手ごたえは掴んでいたが、それ以降は実験の許可を得られず。

そりゃそうだ。

ようやく一人の死刑囚が被験体として志願するのであるが、その手紙が凄く丁寧な飾り文字で。
何者かは知らんが、教養は半端じゃなく高いようだし、実験内容を理解した上で同意している。
ところで幼女誘拐、殺害犯だとか。

この学者も人工心肺の開発でも実績を挙げているのだから、まともな研究を始めていれば一流の学者として名を残せたのに。
人工心肺の開発は死体蘇生のための過程の産物であり、記録に残りにくかった御同輩も多いだろうな。
4:小狸工房 :

2019/07/15 (Mon) 03:52:27

これとて第一号はスクラップから自作された。
拍動する心臓への外科手術が困難なのであれば、一時的に心臓を止めればよい。理屈は分かっても非生理的環境とリスクの高さから開発を請け負う機械メーカーが見つからなかったのである。
現状に我慢ならなかった一人の心臓外科医が私費とプライベートタイムを用いて中古の電動ポンプからこれを製作、何度かの動物実験を経た後に、インフォームドコンセントを得てある患者に使用を断行、無事に成功する。

これとて成功したから美談となったが、失敗していればアレな実験をした人としてわずかな記録を残して埋もれてしまっただろう。
これより先に19世紀から機械装置につないで生体を維持させる基礎研究は始まっていたのだし。機械というものの機能性能が飛躍的に高まったので、生体機能の大部分は機械装置で代用できると見当は付いていた。
手塚治虫氏はある医師とのディスカッションで、生体はどこまで機械に置き換えられるのか検証したところ、結局は脳と神経系を除いてはほとんど機械で代用できそうだという結論に達した。
5:ウッソ魔人 :

2019/07/15 (Mon) 20:21:58

>結局は脳と神経系を除いてはほとんど機械で代用できそうだという結論に達した。

バックトゥザフューチャー3でLSIが破損しているのをドクが60年代当時の技術で代用再生したのはさすが天才というものだったが、それは…
6:小狸工房 :

2019/07/16 (Tue) 10:12:56

サコン・ゲン方式だったかな。

サコンくらい知能が高いとあのような荒業も可能かと当時は感心したが、脳にどれほど強烈な負荷をかけているのだ。下手をすればサコンのニューロンが破壊されてしまうではないか。

同じ手はパトレイバーにも出てきたけど、データ採取のためにバドの脳神経系に機械的に割り込んでいるわけだから、あのままだとASHURAシステムが完成する頃にはバドは廃人になっていただろう。
またASURAからバドの脳に働きかけていた描写もあったな。反射、興奮を強制で促すのだな。

おっぱいちゅぱちゅぱ。
7:ウッソ魔人 :

2019/07/16 (Tue) 12:42:33

https://bbs11.fc2.com//bbs/img/_214100/214093/full/214093_1563248553.jpg ボンネットの上のでっかい機械が分かるだろう。
これがたった一個のLSIの機能を真空管などの60年代の技術を使って再現しているのだ。
同様に魍魎の匣は。
8:小狸工房 :

2019/07/16 (Tue) 13:12:14

LSIを真空管で代用するなら少なくともこの数百倍の大きさで、デロリアンのジェネレーターでは到底電圧が足りないだろうな。何より発熱と、配線が複雑になりすぎる。
もちろん映画的演出なのだけど。ボンネットに乗せるな、熱いぞ。
アポロ計画ではまだ信頼性に若干の不安が残るICが積極的に採用されたけど、打ち上げ回数を重ねるごとに何よりアップデートされたのがコンピューターだとか。
真空管からトランジスターへの場つなぎ技術として、小さなカプセルに複数の真空管を封入した製品も出されたけど、トランジスターの生産と品質が安定すればあっという間に姿を消した。消費電力がはるかに少なくて済むのだ。

>同様に魍魎の匣は。

分かったぞ、でっかい箱に物の怪をしこたま閉じ込めるのだな。
9:ウッソ魔人 :

2019/07/16 (Tue) 14:56:14

>結局は脳と神経系を除いてはほとんど機械で代用できそうだという結論に達した。

サイズは?という話だ。
10:ウッソ魔人 :

2019/07/16 (Tue) 14:58:39

充分可能である。

「ははは、こりゃ壊れるわけだ!日本製なんか使ってる!」
「何言ってるの?今は良い物はみんな日本製だよ」
11:小狸工房 :

2019/07/16 (Tue) 21:41:14

時間の問題だとされていた。

作者自身の手によるアトムのリメイク作品ではブレイクスルーのひとつに「超小型電子頭脳」の実用化があった。電子頭脳そのものはそれ以前にも開発されていたが、あまりに大きすぎて等身大のボディへの搭載は不可能だとされていたものが、素材と回路設計の改良により実現。
手塚漫画のリアリティのひとつが時系列の概念だ。

「鉄腕アトム」の新しさには何度読んでも目を見張る。
「ロボットとは限りなく人間に近づくものなのか、それとも機能を限定した道具として扱われるべきものか」
「ヒューマンインターフェースが高度化するにつれロボットとしての利点は損なわれてゆく」
現実のテクノロジーが追いつくことで、ようやくのこと手塚作品のテーマへの理解が深まったところだ。
12:小狸工房 :

2019/07/16 (Tue) 21:50:18

ボッコ...いやいや。

「地球人に物質転送装置が作れるのか?」
というズッコの心配を超えて、物質転送装置が完成。

ガラクタの塊にしか見えないそれに新一君は驚くが、
「機械ってこう、もっとスマートなものじゃないの?」
「あれは売り物だからだ。使えるほどならこれで十分だ」

どうしてこうも物の本質を一撃で突けるのだか。

http://zenmai.kemono.cc/ez0231.htm
この描き込みにただ事ならぬ想いの深さを覚える。
13:小狸工房 :

2019/07/16 (Tue) 22:09:14

機械の体の製作に成功した学者であるが、死刑囚の脳を手に入れ有頂天になって自作の装置に組み込む。
問題はその体が樽に棒切れを括り付けたような、ハロウィンの出し物のごとき代物だったことだ。

目覚めた死刑囚はまさしくその不細工な姿に怒り狂うのであるが、君は前人未到の大発明の当事者となれたのだ、新しい体と命とを存分に活用したまえと言い包められて学会発表の壇上に立つよう促される。

とうとう発表の日、壇上に現れたその姿に会場は爆笑の渦となり、今度こそ怒り心頭に発した死刑囚はその場で学者を撲殺し、自らの頭を引き抜いてそのまま絶命した。
14:ウッソ魔人 :

2019/07/17 (Wed) 16:54:22

>機械の体の製作に成功した学者であるが、死刑囚の脳を手に入れ有頂天になって自作の装置に組み込む。

30年前の
特警ウインスペクター22話「殺人犯は二度死ぬ」だな。
とんでもないオチは怪奇大作戦並みのエピソードだった。
15:ウッソ魔人 :

2019/07/17 (Wed) 17:06:38

>手塚漫画のリアリティのひとつが時系列の概念だ。

だからこそ魍魎の匣などは戦後すぐの時代なのだ。

コンピュータの小型化は荒唐無稽でリアリティが無いという常識があればこそ、石森作品は人脳を使うサイボーグを推したし、「ラーメンの出前すら出来るポンコツロボット」は免許不要のラジコン用27Mhzで操作する限定範囲の操り人形方式なのだ。
16:小狸工房 :

2019/07/17 (Wed) 18:36:03

これも死体蘇生がテーマ。
実験材料の入手のために重ねられる殺人。

このエピソードにもなると事件解決よりも死体蘇生の夢に取り憑かれた狂気の描写が主軸。
17:小狸工房 :

2019/07/17 (Wed) 18:50:43

>コンピュータの小型化は荒唐無稽

「ジュン」で手塚氏と決別した石森氏は、手塚作品とは意識して別なアプローチを試みた、その結実だろう。
機械に閉じ込められた生身の叫びだ。
果てしなく人間に近づこうとする機械の悲鳴である手塚作品との相違だ。

人間との交流を重ねることでより人間らしくなるアトムはディープラーニングの発想によるものだし、良心とは絶対のものとしてプレプログラミングを必要としたキカイダーとの違いもある。
そしていずれも人間にはなれないギャップに苦しむ。

反実仮想から物語が生まれるのであるから、現実をどこに求めるのかの各人の視点のありどころを。

ここにもうひとつ、「鉄の檻の魂の軋み」が8マンなのであるが。
18:ウッソ魔人 :

2019/07/17 (Wed) 22:43:20

タイヤにも注目してくれ。爆笑したもんだ当時。
時代のアリモノを使うと色々面白いことになるのだ。

エイトマンは新作映画でもそんなネタをやってたが、士郎正宗以降の帰結型新時代にはセンスが思いっきり対応出来てないな。

散歩する首はギャグではなく、実際に大真面目に研究されたのだ。あいにく今ソースは見つけられないが。
当時の日本では心臓死が死亡判定の一般だったので、心臓死後に心臓を蘇生して移植するという「だったらそのまま蘇生すりゃいいだろ!」な馬鹿案は通るはずもなかったが新聞記事にはなった。
19:小狸工房 :

2019/07/18 (Thu) 02:01:26

>時代のアリモノを使うと色々面白いことになるのだ

だから終戦直後の自転車はゴムタイヤの代わりに荒縄を巻いて走ってたって。

義体は健康上の理由から元の生体を維持できない消極的理由からだけど、いずれは幼少期に施術を済ませてこの生き方に順応させるか、大人になってからなら常に自分に割り切るように言って聞かせる覚悟が無いとね。
多臓器不全を起こすような高齢になってからだと、結構気に入っている描写もあるが、まあ本人の満足度の問題かな。ニコチン供給ソケットにプラグを挿入して、タバコを使う気分になれるのが代表だ。

心停止を判定基準にするのは確かベルギーだったかな。医学的見解が遅れているわけではなく、法的判断での国民性である。
死亡宣告が出されてから心移植で蘇生し超法規の存在となるトリックがあった。

クリスタル・ボーイは生身であった頃の自分を懐かしみ、味が分からなくともワインを嗜む。
20:ウッソ魔人 :

2019/07/18 (Thu) 18:31:24

>義体は健康上の理由から元の生体を維持できない消極的理由からだけど、

攻殻世界は主に放射線障害に起因する。具体的には熱核兵器によるものである。

>クリスタル・ボーイは生身であった頃の自分を懐かしみ、味が分からなくともワインを嗜む。

口を閉じたまま爆笑する姿はすごかった。
まあ最新バージョンでは特殊偏光ガラスではなくライブクリスタルというナノマシン風のもの。表情も多彩。
これは最初の映画版で採用された案で、サイコガンは素通りするし77マグナムは粘度に阻まれる完璧な物質で、柔らかそうなのに歩くと金属音という素晴らしいものだった。

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