無用の用~雑談板

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「太陽の塔」第四の顔 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 09:28:53

「馬鹿野郎、「太陽の塔」が一番の反博(はんぱく)だろうが」
-伝、岡本太郎氏-

今回のNHKのドキュメンタリー番組から。

幻となった太陽の塔の四つ目の顔、「地底の太陽」の行方を探るお話でしたが、司会役となったのが今回の万博でも企画スタッフを務められた生物学者の方で。

こういう番組だと民放では良く
「あー、結局見つかりませんでしたね、残念です」
と、終わらせるものだと思うし、この番組でもおおよそはこういう締めであったが、言わんとするところはもっと別なところにあった。

テーマは「いのり」 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 09:41:22

前回の大阪万博が大まかにテクノロジー礼賛がテーマだとして、今回の万博は生命科学の可能性をテーマとしているわけだが。
この方は生物学者として、これに異を唱える立場で参加されているのである。

岡本氏の場合は「人類の進歩と調和」というスローガンに猛烈な反発を覚え、「人間は機械の奴隷となっている」と、シンボルの企画を任されたのを良い事に、丹下氏の大天井を突き破る奇想天外なデザインの塔を打ち建てた。モチーフは
「縄文だ!」

さらに岡本氏は隠されたテーマとして、この「地底の太陽」を設置されたのだが、これに関しては多くを語らぬまま旅立たれたし、建築物ではなく展示物としての扱いだったので、閉幕後は撤去されたのであるが。

当時から反万博を訴える人は少なくなく、空虚な催事であろうと。
これに共感して赤軍派を名乗り、太陽の塔に籠城した青年を見て、岡本氏がこう諭したのだというが。

「未来の顔」の目はサーチライト 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 09:44:25

人が居るまま点灯すると、熱で焼死する可能性があるとかで。
灯を入れるのが一週間ほど遅れました。

当人は、やることはやったし、結局は何も変わらなかったと、釈放後は故郷に戻って真面目に勤めたとか。

生物学者という視点 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 09:48:30

生命科学の進歩を喜ぶのも良いだろう。

だが、学者としては生命が有限である意義をこそ説かなければならぬ。
彼は自身の信念が岡本氏の主張と同調するのを実感し、今回の探索劇に加わったのである。

浮かれていません、とても気骨のある方です。
猫も撫でていたし。

第四の顔の探索は 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 09:54:51

岡本氏の足跡を辿り、ほとんど顧みられることの無かった「地底の太陽」を見つける事で、岡本氏の真意への理解を果たせないだろうかと。

撤去されてからは動物園に運ばれ、そこからまた移動して野ざらしとなり、最後には破砕されて埋められたと判明。

その埋め立て地に立ち、コンクリートもプラスチックも分別なく破砕されて谷を埋め尽くしている光景に、これがあの進歩と調和の成れの果てなのかと。

そのすぐ傍に原生林を見つけて、微かな希望の中で番組は終わる。

最大の収穫は 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 10:01:17

資料室を掻き回している内に、今まで失われたと思われていた「地底の太陽」の詳細な設計図と仕様書が発見された事だ。

手掛かりとなれば開催当時に撮影された写真しか無かったものだから、これがあれば正確なレプリカも作れるのである。

それにしても、半世紀前というと岡本氏も異端の芸術家であったので、展示室から出されると作品も廃棄物扱いになるのか。

雲の上から高らかに笑っておられるであろう。

丹下氏の反応 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 10:14:00

大天井を突き抜ける構想だと伝えられて、
「面白いじゃないか、この野郎」
というのが真相らしい。

構造力学に挑戦状を叩き付けられたのであるが、見事に解決されました。

当時の私の感想は、大穴を開けるのであっては天井としての意味を成さぬではないかと、これが丸ごとオブジェと化してしまう、相矛盾しながらも拮抗する、言わば建築物としての実用性と塑像としての精神性とが、相克しながら釣り合いを取ろうとしている、とても奇妙に感じました。
大人とは、時にこれほどまでに不合理な成果も出せるのかと。

見る気は無かった番組だけれども 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 10:34:26

番組予告に、なぜか強烈に惹かれるものがあって。

「縄文ファミリー」 - ウッソ魔人

2025/05/04 (Sun) 16:48:44

> モチーフは「縄文だ!」

1988年だったかの木材加工コンテストの審査員が岡本太郎で友人も出品したがあいにく落選した。
買い手は付いたけど。

この時優勝したのが「縄文ファミリー」という作品だったな。今思い出した。
私には理解できない前衛的なガラクタだった記憶である。

グラスの底 小狸工房

2025/05/04 (Sun) 19:25:50

江戸切子では良く知られた技法だが、呑み干したら対面するのは岡本氏のセンスでしょうね。
https://note.com/s_tanaka/n/nbc1e9467be79
やはり男女で一対かな。

>買い手は付いたけど。
>私には理解できない前衛的なガラクタだった記憶である。

売り物になるくらいに分かりやすい作品は、意地でも評価しなかったのかも。

太陽の塔とて、建築物として現実に建造できる形にずいぶんと変更されたらしいのだけれども、岡本氏はこれに怒りもせず、素直に納得されたというので。
こうしたところは怪獣の着ぐるみ造形にも似ていて、元のデザインが優れていても、中に人が入って演技が付けられなければ意味が無いので、現場で変更が加えられるのに納得できるのかですね。
むしろ岡本氏は、丹下氏が大穴に同意してからは、デザインの調整にも積極的だったそうだし。

商業芸術、依頼芸術というもの。
ロダンのバルザックもペンギンとも石炭袋とも酷評されて。

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